こんにちは!
好奇心が原動力!「ブラ旅47」スタートです。
まずはおさらい! ☆★ ブラ旅47とは ★☆
大和グラビヤのブランディング企画室が日本全国47都道府県の旅に出る企画、
略して「ブラ旅47」!全国各地の食べ物やお土産や工芸品・・・それらを作っている人たちとの出会いや、その体験で感じたことや得たものを旅の記録として綴っています。
第14回目の今回は、福島県は会津若松市。
訪問したのは、鶴ヶ城からほど近い場所にある酒蔵「宮泉銘醸」さんです。
日本酒と焼酎を製造しており、
アルコールに強い訳では無いけれど、お酒の味は大好き!・・・という私。
数年前に宮泉銘醸さんが造られている日本酒「冩樂」を戴いてからは、「福島県の美味しい日本酒といえば、冩樂」というイメージがしっかり頭にインプットされています。
それもあって、ブラ旅47の福島県担当として訪問先を検討する際、真っ先に宮泉銘醸さんを思い浮かべたのでした。
宮泉銘醸さんの銘柄 日本酒「會津宮泉」「冩樂」と 焼酎「玄武」。
今回は製造部長である山口さんにご対応いただきました。
製造現場へと移動し、お酒造りの様子を見学しながら宮泉銘醸さんの取り組みについてジックリとお話を伺いました。
1. 新しい体制づくり
「社長が家業を継ぐため、今から17年程前に入社されてからは様々な社内改革が進められました。組織体制や製造工程・手順など多岐にわたります。」と山口さん。
「以前は杜氏さん(杜氏=酒をつくる職人であり、製造責任者)が中心となってお酒造りが行われており、経営側と製造側は切り分けられた状態で運営されていました。現在は社長が代表取締役と製造責任者を蔵元杜氏(蔵元=酒蔵のオーナー)として兼任する事で、社内全体が最適な状態で運営されるようになりました。」
「また、長く働いてくださった杜氏さんや年配の蔵人さん(蔵人=杜氏のもとで酒造りを行う職人)達が定年を迎えていく中、新しく入社した若い世代の人達には造りの基本と共に、今までとは異なる考え方・手段も伝えていきました。日本酒を造る上で大切な工程である『一麹二酛(もと)三造り』は勿論の事、洗米や瓶詰・貯蔵(温度管理)など「造り」以外にも注力すべき工程が沢山ある事を社内に伝え、実践していったのです。そうして徐々に『良い状態の商品を良い状態でお客様に提供する』という、宮泉銘醸の考え・姿勢が作られていきました。」
(一麹二酛三造り=日本酒造りの工程を表した格言。麹(こうじ)、酛(もと。酒母)、醪(もろみ)に関する工程を指す。)
「ちなみに、多くの資金が必要となる設備投資や修繕は、毎年少しずつ進めています。人が行うべき繊細な業務や作業に関してはそのままに、人の手では時間のかかるような作業や、より清潔さが求められる作業等には機械を導入して原料に負担がかからない環境をつくっています。」
終始優しいトーンで話される山口さんの言葉と、製造工程の様子(宮泉銘醸さんの蔵人さんはお若い方々が多い!見学中は皆さん明るく挨拶してくださいました。)から、単に製造の自動化を優先して進めているのではなく、原料への負荷を軽減しつつ酒の質を高める為のツールとして機械を活用している事が伝わりました。
2. 蔵人と機械
製造工程の一角に「酒蔵」のイメージとは異なる小部屋がありました。
三角フラスコやパソコン、そして様々な機器。まるで実験室のようです。
「ここは分析室です。もろみの状態やアルコール度数、気温等の経過・情報を記録しています。昔、この分析室は『杜氏のみが入れる部屋』といった様相でした。現在と同様にお酒の状態に関する記録を帳簿につけていたのですが、外から見ると室内で何が繰り広げられているのかわからない状態で・・・。また、情報は杜氏のみによる管理となっていた為、この部分に関しては完全にブラックボックス化していました。このような体制を見直しパソコンや分析機器を導入する事で、お酒に関する情報を「職人の経験と感覚」だけでは無く更に数値データを蓄積し管理できるようにしています。」
「このような情報の管理は、社長の『酒造りは蔵人全員で行うもの』という考えに則って実施しています。情報をデータ化する事により蔵で作業を行っている蔵人全体で様々な事柄が共有できるようになりました。酒は米を直接触る蔵人だけで造られるものではありません。社内全体が一丸となって酒造りに取り組んでいます。」
「無論、数値データや機械だけで品質の全てが保たれる訳ではありません。『職人としての感覚や経験則』はとても重要であり、酒造りの際は原料の一番近くに人間が居なければならないと考えています。それは原料の状態を確認し、造りの方向を見極める必要があるからです。細やかな管理能力と言いますか・・・。数字ではわからない部分を捉えられる人間の目というのは大切なのです。原料負担を極力少なくする機械や正確な数値データ。そして『職人としての感覚や経験則』を活かす事で、ようやく『旨い酒』という価値をプラスした商品を安定してお届けできると考え、実践しています。」
3. 宮泉銘醸さんのこれから
「これから、日本の人口はどんどん減少していき、日本酒の消費が全盛期の頃に好んで飲まれていた方々の年齢は70~80代を迎えられています。若い方々は日本酒に限らずアルコール全般から離れていっている現状もありますが、社長の「良い酒を造りたい」という想い一本で決断してきた結果が、今の宮泉銘醸に繋がっているのだと思っていますし、冩樂を飲んで日本酒を飲めるようになったと言う方も増えています。」
「これからも、鑑評会に出品するお酒だけを真面目に造る訳ではなく、全てが同様にレベルの高い酒質になるようなお酒を出していきたいです。」
職人としての感覚・経験則等を大切にしつつ、現代の技術や考え方を取り入れて挑戦を続ける宮泉銘醸さん。
小さな酒蔵から広く知られた銘柄を抱える酒蔵に成長をしていく過程では、昔からの手段を大きく変える必要があった事が伺えます。少なからず社内からの反発もある中「自分たちが美味しいと思えるお酒を届けたい」という想いで前進されてきたからこそ、会津若松市から遠く離れた場所で宮泉銘醸さんの日本酒と巡り会えた自分が居るのだ・・・と、山口さんのお話をお聞きしながらジンワリと感動してしまいました。
4. 取材を終えて
今まで宮泉銘醸さんのお酒は「冩樂」しか戴いた事が無かった私ですが、今回自分へのお土産に「會津宮泉」を購入してみました。「どのお酒もレベルの高い酒質」という山口さんの言葉を体現した、とっても美味しい日本酒でした。(日本酒の美味しさを上手く文章で表現できないのが悔しい・・・!)
今回の取材を終えて、以前よりも更に宮泉銘醸さんの造られるお酒への期待・ワクワク感が増してしまいました。
きっと口に含む度、新しい驚きと幸福感を味わえる筈!
今後も親しい仲間や家族と共に、様々な場面で宮泉銘醸さんの造られるお酒を堪能したいと思います!
取材・見学にご対応くださいました山口さん、宮泉銘醸の皆様。
本当にありがとうございました!!
——-取材協力——————————————————————–
宮泉銘醸株式会社
〒965-0872 福島県会津若松市東栄町 八番七号
営業時間:9:00〜16:30
定休日:無休
TEL: 0242-27-0031
※営業時間・定休日は変更となる場合がございます。
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次のブラ旅47は、滋賀県!
面白い企画に挑戦しながらも、地元愛にあふれた和菓子屋さんを訪ねました。
お楽しみに~!
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