こんにちは!ブランディング企画室です。
先週は大和グラビヤの創業者・鈴木松二郎の故郷である岐阜県美濃についてお届けしました。
今週は美濃後編!ブラ旅47番外編、今回もお楽しみください。
※このブログは、3月下旬に取材した内容です。
————————————————————————————————————————
★ブラ旅47とは…
大和グラビヤのブランディング企画室が日本全国47都道府県の旅に出る企画、
略して「ブラ旅47」!
全国各地の食べ物やお土産や工芸品・・・それらを作っている人たちとの出会いや、
その体験で感じたことや得たものを旅の記録として綴っています。
★ブラ旅47番外編とは…3つのポイント!
①新型コロナウイルスの影響で、ブラ旅を一旦休止します。(2020年7月末までの予定)
②休止の間、「ブラ旅47番外編」として、大和グラビヤの歴史を紐解く企画を実施します。
③こんな状況だからこそ、出来る範囲で目いっぱい楽しいことをします!
————————————————————————————————————————
もともと美濃で和紙の行商人をしていた大和グラビヤの創業者・鈴木松二郎。
戦後に事業を立ち上げようとしたとき、美濃和紙が身近だったことから紙を使用した仕事をやろうと考え、大和グラビヤの前身となる「美濃紙共栄」を設立したという歴史があります。
大和グラビヤのルーツを辿った先にあった美濃、そして美濃和紙について、先週に引き続きお届けします!
1.「うだつ」とは…?
美濃の観光スポットといえば、うだつの上がる町並み。
美濃市の中心地にあり、かつては上有知(こうづち)と呼ばれていました。
上有知は、先週ちらっと紹介した「小倉山城」を築城した金森長近によって造られた城下町で、美濃和紙を基幹として栄えた商業の中心地です。
うだつの上がる町並み。情緒ある景観が見事です。
出世できないという意味でよく「うだつが上がらない」と言いますが、「うだつの上がる町並み」って…?そもそも「うだつ」とは…?
気になった私は、このうだつの上がる町並みの中にある「旧今井家住宅・美濃史料館」へ訪れました!
旧今井家住宅・美濃史料館
「旧今井家住宅・美濃史料館」は、江戸時代中期に建てられた庄屋兼和紙問屋で、市内最大規模の町屋です。
中を見学できるだけでなく、建物の奥には、美濃市の歴史や文化に関する史料を展示した美濃史料館もあります。
うだつの上がる町並みに来たら外せないスポットの1つです。
さっそく、館長さんに「うだつ」について教えていただきました。
うだつとは、屋根の両端にある防火壁のこと。
うだつの上がる町並み一帯は丘の上にあり、水害に強い反面、水の便が悪いため火災に弱かったそうです。
また、当時の家の屋根は板張りが多く、一軒で火事が起きるとすぐに隣の家に燃え移ってしまう危険がありました。
そのため、防火対策として屋根にうだつを上げていましたが、次第に競い合うように意匠性を伴った豪華なうだつが次々と上がるようになったそうです。
そのうち、「うだつ=富の象徴」となっていったことから、出世ができない・金銭に恵まれず生活がよくならない、という意味で「うだつが上がらない」と言われるようになったとのこと。
語源については諸説ありますが、これが一番有力との見方があるそうです。
2.旧今井家住宅・美濃史料館
うだつについて知ることが出来たところで、今度はじっくりと旧今井家住宅の中を見学させていただきました。
この旧今井家住宅は、先述したように、江戸時代中期建てられた庄屋兼和紙問屋ですので、かつて商いに使われていた帳場もそのまま残っています。
帳場格子(衝立)はお客様と商品との間仕切りで、結界の意味もあります
また、建物内の障子には全て美濃和紙の障子紙が使われているそうです。
ここでよ~く見てほしいのですが、所々、障子の枠の中に和紙と和紙のつなぎ目があります。
こちらについて、館長さんに教えていただきました。
もともと障子紙は、美濃判サイズ(障子の枠4マス分の大きさ)ですいた紙をつないで用いていました。
その際に職人の手によって出来る約3ミリほどの継ぎ目は、光を通した時にあまりに美しく、あえて見える箇所にその継ぎ目を持ってきているそうです。
これを「千鳥張り」といい、例えば京都の迎賓館の障子は全て美濃和紙で作られ、かつ千鳥張りになっているそう。
ちなみに名古屋城本丸御殿の障子も千鳥張りだそうです。もし行く機会があれぜひ注目してみてください。
風情ある中庭にも行ってみました。
中庭には「日本の音風景100選」にも選ばれた水琴窟があり、涼やかな音色を楽しむこともできます。
※音が出ます。
この日初めて水琴窟という雅な文化に触れましたが、とっても風流で癒されました。
3.美濃和紙あかりアート館
さて続いてお届けするのは、美濃和紙の魅力を「あかり」を通して感じられる場所です。
美濃市では、毎年秋に「美濃和紙あかりアート展」が開かれます。
「美濃和紙あかりアート展」とは、美濃和紙を使用したあかりのオブジェを全国公募し、うだつの上がる町並みに2日間にわたり屋外展示し、審査を行う催しです。
毎年10月に行われる美濃和紙あかりアート展。例年出展者や全国各地からの多くの来場者でにぎわう。
そんな幻想的な「美濃和紙あかりアート展」の入賞作品の数々が見られる場所が「美濃和紙あかりアート館」。
先程ご紹介した旧今井家住宅・美濃史料館のすぐ近くにあり、お得な2館共通チケットもあります。
さっそく中に入ってみると、暗闇の中にたくさんの淡い光が展示されていて、とっても綺麗です。
一つひとつ表情が異なり、どの作品も独創的な和紙の活かし方をしていました。
まるで夜の町を歩いているような気分になります。
柔らかく優しいあかりを灯した数多くの作品を、ゆっくりと眺めることが出来ました。
展示数もたくさんあって、見応えたっぷりです。
和紙の柔らかさを感じてなんだか優しい気持ちになれるような、そんなミュージアムでした。
実際に夜の町にたくさんのあかりが灯される「美濃和紙あかりアート展」も一度行ってみたくなりますね。
4.おわりに
前回・今回とで、大和グラビヤのルーツである美濃についてお届けしました。
自社の歴史を知って、実際にその地を訪れてみたことで、今は美濃が以前より身近に感じられます。
美濃和紙についても学ぶことが出来、少しだけ自分の世界が広がった気がしました。
さて、次回は和紙から少し幅を広げて、ある紙を実際に作ってみようと思います…!
果たしてうまくいくのか!?
5月1日(金)更新予定です。お楽しみに!
うだつの上がる町の四隅には、四神「うだつ招き猫」がいます♪(左から青龍・朱雀・白虎・玄武)
町歩きをしながら探してみるのも面白いかもしれません。
-----------------------------------
採用に関する詳細はこちらから
-----------------------------------